平成13年2月19日


休館日  図書館  博物館  埋蔵文化財センター 
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2月・3月の図書館・博物館の休館日は以下のとおりです。 (ピンク色のところが休館日)
2月
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3月
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なお、埋蔵文化財センターの休館は土曜、日曜、祝日です。ご注意ください。


tel:42-7007 有線9482

外はとっても寒いけど、本格的な寒さはまだまだこれからだヨ!
みんな風邪に気をつけようね!
さて、今月の博物館は・・・。

<<展示>>
昔の道具シリーズ『貯蔵民具展』
 期間 : 1月31日(水)〜2月25日(日)
 場所 : 博物館展示室&ギャラリー
博物館に収蔵されているたくさんの資料たち。そんな資料を紹介する『貯蔵民具展』。
こんな資料、見たことあるかな?

能登川中学校卒業記念展『絵手紙展』
 期間 : 2月23日(金)〜3月7日(水)
 場所 : 博物館ギャラリー
今年で3回目を迎える「能登川中学校卒業記念展」
”卒業”という大きな節目を迎え、生徒達はどんな思いを絵手紙にしてくれるのでしょうか。

<<催し>>
『水鳥観察会』
 日時 : 2月18日(日)10時15分〜
 場所 : 伊庭内湖ほか
*事前に申し込みをしてください。


tel:42-7007 有線9471

<<ライブラリーシアター>>

土曜シネマ (13時30分〜)
2/3 『お葬式』124分
(伊丹十三監督、山崎努出演)
2/10 『ファーゴ』98分(字幕)
(ジョエル・コーエン監督、フランシス・マクドーマンド出演)
2/17 『ラヴレター』113分
(岩井俊二監督、中山美穂出演)
3/3 『時雨の記』118分
(吉永小百合、渡哲也出演)

日曜こどもシネマ (10時30分〜・13時30分〜 2回上映)
2/4 『プーさんのびっくり箱』44分
2/18 『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 完全版』120分
3/4 『バグズライフ』94分

2月の特設コーナーから

特集 「ことばをあそぶ」
 寒い冬、こたつの中でことば遊び、詩を読むなんていかがですか。まずは詩人達のすばらしい詩を読んで詩人になった気分を・・・。詩集や詩人についての本を集めてみました。
『倚りかからず』(茨木のり子/著 筑摩書房/発行)
 「もはや倚りかかりたくはない・・・ 倚りかかるとすれば それは椅子の背もたれだけ。」
 茨木のり子が静かに激しく紡ぐ、珠玉の15篇
『にんげんだもの』(相田みつを/著 文化出版局/発行)
 「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」
 優しい心を易しい言葉で伝えたい。独自の「書」と「ことば」で人間讃歌を謳いあげた「にんげん相田みつを」の世界。

児童特集 「すきだよ、だいすきの絵本」
 絵本の中にはだいすきの気持ちがいっぱいあふれています。2月14日はバレンタインデー。女の子が男の子に告白する日です。今年はチョコではなく絵本をプレゼントしてみてもいいかも・・・。
『すき』(トメク・ボガッキー/作 木坂涼/訳 セーラー出版/発行)
 すき?きらい?「かっこうがきらい。つまんないしっぽ。へんな歯。さえない目。きたない毛」とけなしてばかり、なのに、「あ、いっちゃうの?」と追いかけます。そして・・・
『すきすきだいすき』(ピョートル・ウィルコン/文 ヨゼフ・ウィルコン/絵 いずみちほこ/訳 セーラー出版/発行)
 ヒョウのブルーノは黒ヒョウのリサを思って夜もねむれません。しかし、ふたりの前には大きな障害が・・・。あるひブルーノのふとした言葉にリサはとつぜん怒ってしまいます。


tel:42-5011 有線9481

王墓を見る! 見学会 邪馬台国時代の連合の実態を探る…
まいぶんひろば5・座能登川
平成13年2月3日(土)13:30〜
能登川町中央公民館 大ホール

  1. 調査について
    遺跡名称:亀塚古墳(かめづかこふん)
    所在地:滋賀県神崎郡能登川町大字長勝寺(神郷地先)
    調査主体:能登川町教育委員会 能登川町埋蔵文化財センター
    調査担当:係長植田文雄
    調査原因:滋賀県緊急雇用創出事業採択の能登川町内遺跡詳細分布調査測量委託事業における遺跡範囲確認調査
    調査期間:平成12年12月4日〜平成13年2月5日(予定)
    調査面積:約200平方メートル
  2. 遺跡のあらまし
     亀塚古墳は、JR能登川駅の東約1,800mの大字神郷地先、式内社乎加神社の背後にあります。北東には、縄文時代後期の集落跡として著名な正楽寺遺跡があり、西側に隣接して弥生時代後期から古墳時代、さらに鎌倉時代まで約千年以上にわたって栄える湖東地域の中心集落斗西遺跡、中沢遺跡があります。これに法堂寺遺跡を加えた集落跡全体の面積は約30ヘクタールを優に超え、これまでの発掘調査でたくさんの住居跡・祭祀場跡・土器・木器、青銅鏡や玉類などの祭祀具がみつかっています。出土物からも、このあたりに湖東地方を広く治めた小国の王が居住していたことが、推定されています。
     さて古墳は、斗西遺跡の約200m東にあって、地元では亀山(かめやま)とよばれて親しまれてきました。本体は乎加神社の社地として、地元氏子皆さんの手により大切に保存されてきました。現在残る形から長い間、全長約28mの前方後円墳とされてきましたが、今回の調査で周りの田んぼや畑の下から濠が見つかり、全体の形が前方後方墳であることが判明しました。
  3. 亀塚古墳について
    • 形状
      前方部が南西方向を向き、前方部の先がやや開き、後方部は後ろの端が開いて台形になる前方後方墳。
    • 規模
      全長:35.5m(前:15.0m、後:20.5m、比率2:3)
      前後の濠を含めると47m以上
      全幅:前:18m、後:25m 濠の最大幅で推定49m
      高さ:現況の田んぼから3.6m、濠の底から4.8m
      濠:最大幅:12m、最小幅:2m、最大深さ1.2m
    • 埋葬施設
      後方部の一番高い部分に、約7×5mの範囲で主体部(墓坑)の落ち込み線を検出。埋土からベンガラなどの赤色顔料、土器の破片などが出土。ただし、主体部は掘り込んでいないので、構造や副葬品は不明。
    • 年代
      墓坑内の土器は、弥生後期土器(約1,800年前)の様子をよく残しており、古墳時代で一番古い形・模様の特徴を持っています。よって土器からは、県内外の土器編年とも比べて、3世紀前半の古墳と判断できます。
  4. まとめ
     今回の発掘は面積の少ない部分的な調査でしたが、次のようなことがわかりました。
     考古学では…
    • 弥生時代、日本各地で低墳丘墓※がたくさん作られますが、亀塚古墳の特徴から低墳丘にさらに土を盛り上げた(高塚)古墳※への時代的変化がわかり、古墳研究の上で重要な資料となります。
    • 山の尾根を整形したものばかりでなく、平野部の前方後方墳も、高塚をもっていたことが判明しました。よって、前方後方墳研究のなかで新発見となります。
     日本史では…
    • 3世紀中頃、前方後円墳をつくりはじめた奈良県桜井市付近を邪馬台国※の中心地として、初期ヤマト政権同盟の目印に前方後円墳を作るグループがあり、この形に従わなかった前方後方墳こそが、唯一に対立した狗奴国※のあかしだとする説をとると、同じ頃に前方後円墳ではなく前方後方墳をつくる近江は狗奴国連合のひとつ、もしくはその有力地の可能性が高まりました。
※ことばの説明
  • 古墳
     有名なものは前方後円(墳)で、前方後方(亀塚)・方・円などの形がある。墳丘墓に比べて盛り土が高く、石室や長大な木棺をもち、副葬品も多い。前方後円墳は3世紀中頃、初期ヤマト政権の成立の証として、時代名の由来となった。
  • 低墳丘墓
     弥生時代に多く造られた有力者の墓。山の尾根にあるものを台状墓(北陸に多い。山陰は四隅突出墓。)、平野部にあるものを周溝墓とよぶ。周溝簿の(盛り土)はほとんど見つからず、水田などの下から濠(周溝)だけ出土する例が多く、かろうじて残っていた発掘例から、高さは2m程度とされている。墓穴は、身長大の木棺を浅いところに埋め、副葬品は少ない。家族の追葬(多数埋葬)も特徴である。
  • 邪馬台国
     中国の古文書、魏志倭人伝に語られる倭国(古代日本)の一国で、女王卑弥呼の時に強大化した。卑弥呼は西暦248年に死去したと伝えられ、奈良県桜井市にある箸墓古墳はその墓とも想定されている。ただし、別の古墳が卑弥呼の墓で、箸墓古墳はその次の台与の墓だという説もある。
  • 狗奴国
     魏志倭人伝に語られる倭国(30国)のなかのひとつで、唯一卑弥呼に服属しなかった男子を王とした国。男王の名は卑弥弓呼。濃尾平野を中心とした東海から関東地方をこれにあてる説が有力で、前方後方墳はそのしるしとされる。王の官(側近か大臣)に狗古智卑狗という人物名がある。
亀塚古墳の今後……
 以上のように貴重な古墳ですので、本格的な発掘調査は体制をととのえて慎重に行わなければなりません。またその保存や活用策もじっくり検討し、後世に残るまちの大切な文化財となるようゆっくり構えて、とりくみたいものです。
 なお、来年度は詳しい調査報告書を作成します。

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