なお、埋蔵文化財センターの休館は土曜、日曜、祝日です。ご注意ください。
能登川町は地下水の豊かなまちで、今でもあちこちの川の底や井戸からこんこんと水が湧(わ)き出ている所があります。発掘調査で昔の川跡や井戸跡を掘ると、水が湧き出し、その中からさまざまな木製品が出土することがあります。
通常木製品は、土に埋まると腐ってなくなってしまうことがほとんどです。しかし、地下水が豊富な場所では、湿った粘土でパックされた状態になり、腐らずに残ることがあります。石田遺跡の発掘調査では約900点もの木製品が出土しました。
写真の木製品は、石田遺跡の発掘調査で弥生時代後期(約1900年前)の溝から完全な形で発見されました。脚台の付いた方形の容器で、スギの木でできています。
このような容器の作り方は、直径40cm以上もある大木を石斧(せきふ)で切り倒し、適当な大きさに輪切りします。その後、石斧や鉄斧(てつおの)などの道具を使ってくりぬいて形を整え、さらに表面を丁寧に削って仕上げます。
現代のような機械や道具がなかった時代に、長い時間と手間をかけて、一つ一つ手作りしたもので、弥生時代の匠(木工職人)の技を見ることができます。
◆ 図書館主催展示
◆ 『春の自然観察会』