室町時代の連歌師に、宗祗という人がいます。俳句で有名な松尾芭蕉は「西行の和歌における、宗祗の連歌における、雪舟の絵における、利休が茶における、其貫道する物は一なり」と『笈の小文』に述べているように、宗祗を自分の先を歩いた歌の大先輩として大変に尊敬しています。
能登川・伊庭氏の出身と判明。
宗祗の出生地については、近江説・紀伊説の二つがあり、江戸時代からはなぜか紀伊説が有力となっていました。しかし最近、広島大学名誉教授・文学博士の金子金治郎先生が、宗祗ハ江東ノ地ニ生マレ」と書かれている『種玉宗祗庵主肖像賛』や手紙などをもとにして、その生まれを近江守護・佐々木六角氏の重臣伊庭氏であると考究され、学会でも認められることとなりました。郷土の生ん偉大な文学者・宗祗法師について、いっそうの認識を深めるとともに、顕彰の運動を進めていきたいものです。
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